* トリガ条件 [#jec99a7d]
通常強震計は、地震の揺れを感知して記録を開始し、地震の揺れが終了したら記録を終了する、トリガ方式の収録が行われることが多い。この場合、開始や終了を制御するいくつかのパラメータ(トリガ条件)が必要となり、観測状況に合わせて設定する必要がある。

最近の強震計では、大容量の記録媒体が容易に使える状況から、強震計本体の記憶容量の制約からトリガ条件の設定に神経を使う必要性も薄れている。しかし、電話回線など低速の通信手段を用いて強震記録の回収を行っている場合などは、多量・大容量の記録ファイルはやはり負担になる。トリガ条件は、強震計の設置環境のみならず、保守の状況なども勘案して設定することになる。

** トリガレベル [#i6dcfdcd]
記録を開始する揺れの大きさである。加速度を計測しているならば加速度で指定する。小さな値を指定すれば小さな振幅の記録から収録できるが、ノイズなどによる誤動作の可能性も高くなる。建物内の観測では 1 $cm/s^2$ から 10 $cm/s^2$ 程度が目安であろう。地中に埋設した加速度計など静かな環境なら 1 $cm/s^2$ 未満の設定例もある。通常は記録開始のトリガレベルと記録終了のトリガレベルは共通だが、別々に設定できる強震計もある。
** トリガ成分(チャネル) [#f4e803fa]
強震計は3成分の加速度を計測しているので、どの成分(チャネル)でトリガを掛けるか選択する必要がある。通常、複数成分を選択でき、そのORかANDを指定できる場合もある。ORなら複数成分のいずれかが、ANDなら複数成分のすべてがトリガレベルを超えたら収録を開始する。また、建物内など複数の加速度計を接続している場合、強震計によっては、トリガ成分として建物の基礎部と頂部の測定成分を組み合わせて指定して、建物の揺れが収まるまで収録を続ける工夫もできる。
** プレトリガ(遅延)時間 [#fb9db830]
トリガ方式では、地震記録の立ち上がりを記録できないので、通常この方式の強震計には、トリガを感知した時刻から遡って、記録を収録する機構が組み込まれている。遡る時間長をプレトリガ時間、あるいは遅延時間と呼ぶ。古い強震計では10秒程度しか設定できないなどの制約があったが、最近の強震計では自在に設定できるので、30秒以上設定するするのが望ましい。ちなみにK-NETの記録の遅延時間は15秒である。
* ポストトリガ(収録)時間 [#pc5488fa]


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