* 建物の動特性の把握(耐震設計技術の検証) [#td43e55f]
建物の強震観測の主要な目的の一つは、対象建物の動特性の把握、そしてその建物に対して適用された耐震設計技術の検証である。

超高層建物や免震建物は、その設計に際して、振動モデルを構築して設定した地震動に耐えられるかを検討する動的設計が行われる。これは建物が実際に建設される前に、種々の仮定を設けて数値計算として行われるものである。実際に建設された建物が、設計の想定通り特性を有しているのかは、実際にその挙動を観測しなければ分からない。

一般の建物では、建物の動的設計は行われないので、通常建物の動特性は不明である。一方で地震時の応答や耐震性能を議論するためには、動特性を知ることが不可欠である。低層から中層の建物は全国に無数に存在するし、過去の地震でも少なからぬ被害を受けてきた。そのような事例を詳細に検討するには、やはり強震観測が大きな武器となる。
特に免震建物や制振建物は、ある程度大きな振幅が生じないと効果を発揮しない。これらの技術は、微動測定や起振機実験では十分な効果の検証は難しく、強震観測の果たす役割は大きい。

一般の建物では、建物の動的設計は行われないので、通常建物の動特性は不明である。一方で地震時の応答や耐震性能を議論するためには、動特性を知ることが不可欠である。低層から中層の建物は全国に無数に存在するし、過去の地震でも少なからぬ被害を受けてきた。そのような事例を詳細に検討するには、どのような外力が作用したか、それに対して建物がどの様に応答したかを知らなければならない。一般の建物であっても、耐震設計技術の向上には強震観測が大きな武器となる。

2011年東北地方太平洋沖地震では、東北から関西に至る広い範囲で、建物の強震記録が得られ、免震建物な制振建物の効果、超高層建物の応答、被害を受けた建物の非線形挙動など多くの検討が行われている。

その一部は[[実例集]]や、[[強震観測の話題(トピックス)]]の中の[[東日本大震災における地盤・建物の強震観測状況(2012大会PD発表)]]で紹介している。

RIGHT:(鹿嶋)

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