木造建物（京都大学による観測事例） †
観測の目的・観測内容 †
（観測の目的）
（観測内容）
- 対象建物： 京都市内の京町家4棟（図1参照）
- 加速度計： 地表（3成分）、建物2階床および小屋梁（水平2成分）（ねじれ振動や構面毎の振動性状が把握できるように配置）
公開されている情報・管理体制 †
（管理体制）
- 観測データは京都市地震観測ネットワークと同じシステムで回収・処理され，地表面の観測データは京都市域の強震動特性の面的分布を把握する上で貴重なデータとなっている。
- 計測条件などの変更はリモートでコントロールできるようになっている。
- 地震観測だけでなく，毎週10分間の定時常時微動計測を行っている。
観測記録の例 †
（観測記録の分析事例）
- 観測記録の分析から，京町家では剛床仮定が必ずしも成立していないこと，耐震改修における仕上げ材施工の振動特性に及ぼす影響が大きいこと，振動特性の振幅依存性が強いことなどが報告されている（林・他，2005）。
- 長期間の常時微動計測から，京町家の固有振動数は夏に高く，冬に低くなる傾向があり，年間変動幅は±5〜10%であることが示されている（図2(a), 新居・他，2007）。
- 別の調査から推定したベースシア係数と常時微動計測による固有振動数との関係式（図2(b)）との整合性が検討され，耐震改修が実施された建物を除いて適合していることが報告されている（新居・他，2007）。
参考文献 †
- 林 康裕，新居藍子，森井雄史，須田 達，鈴木祥之：既存木造住宅の耐震性向上に関する総合的研究 その44 関西での強震観測まとめ，日本建築学会大会学術講演梗概集（近畿），C-1 構造�掘�pp.161-162，2005.9.
- 新居藍子，林 康裕，森井雄史，井田祥子，鈴木祥之：常時微動計測から推定される京町家の振動性状，日本建築学会構造系論文集，No.613，pp.43-50，2007.3.
(境、神原)
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