設置場所と設置方法

設置場所について

建物内部に強震計を設置する場合、必ずしも各種ノイズが低い場所、建物(躯体)の振動を代表できる場所に設置できるとは限らない。特に、オフィスビル等では、OA機器や空調によるノイズに満ち溢れていると言っても過言ではない。

設置方法について

良好な、設置場所が得られたとしても、適切な設置を行わなければ、強震計の性能を十分発揮することはできない。また、条件の良くない設置場所であっても、設置方法によって条件を改善できる可能性がある。留意事項を幾つか説明する。

  • ピックアップの固定
  • ケーブルの処理
    • ケーブル由来のノイズ対策 ケーブルには電気信号が流れていることから、周辺の電磁ノイズを発生させる。
    • ケーブルの物理的配置 ある程度大きな地震計であれば、ケーブルの余剰分を筺体の上に載せても問題はないだけでなく、筐体を安定させる効果も期待できた。しかしながら最近の小型地震計は、筐体自体が樹脂で作られていたり、内部にバッテリーを持たないなど軽量で、ケーブルの余剰部分を載せたり、近くに置いたりすることによって、物理的に不安定になってしまう場合が少なくない。
  • 電気的ノイズの処理 最近の小型地震計は、多くの電子/電気部品から構成されており、従来よりも電気的ノイズを避けにくくなっている。また、建屋の内部に設置する場合には、設置環境として電気的ノイズに溢れているといっても過言ではない。 そのような設置条件であっても、適切な対処を施すことで、電気的ノイズはある程度軽減することが可能である。
    電気的ノイズの低減には、電源や信号の基準電位を安定させることが最も効果的である。基準電位の安定のためには、一般的には電気的な中性点を接地させるが、電子部品で構成されている最近の地震計は、電源を設置させるだけでは解決しない場合が多い。
    地震計など計測器の中性点には、少なくとも電源0とシグナル0があって、それぞれが独立するようシステム設計される場合もある。その場合、電源を接地したからといって、必ずしもノイズの低減には繋がらない。また、シグナル0を接地させて安定させる目的で、電源の接地とシグナル0を短絡すると、接地の容量が不十分であればかえってシグナルの不安定化を招く場合がある。
(佐々木、上林)

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Last-modified: 2013-05-14 (火) 10:50:26 (3997d)