強震観測で考慮すべきこと †対象地震レベル †対照とする地震動レベルはトリガーの起動レベル設定に依存し,地震動の継続時間は計測を終了するレベルに依存する。通常の設定は1Gal〜数Gal程度と考えられる。トリガーを設定する観測位置については特に決まりはないが,最近話題となっている長周期地震動に対して超高層建物の揺れが十分収束するまで計測する場合,建物高層部に計測終了のトリガーを設定するなどの対応が必要である。 観測期間 †観測期間に関しては,基本的に大地震の収録を目的としている場合は,特に海溝型の地震は数十年から数百年周期で発生することから,これらの地震の収録を考えて機器を更新するなどが考えられる。一般的に機器類の耐用年数としては,部品の交換等を考えても10年〜15年くらいが目安だと思われる。 観測記録の利用方法 †観測記録の利用方法として,例えば下記のことが挙げられる。
ここで,特に1.に対する留意点として,地震観測を行っている建物が自ら保有するものであれば問題ないが,そうでない場合は覚書を交わすなどして,観測されたデータの扱いを予め定めておくことが必要である。観測データを公表し易いような体制とすることが肝要である。 記録の収集方法や頻度 †観測記録はメモリーカード等に収録されるので,現地でパソコンに取り込むといった方法があるが,遠隔地での観測データを瞬時に取り込む方法としては,モデムを介して電話回線(ISDN)を利用してデータ収集を行うことやLANを利用して観測データをパソコンに自動収集させる方法などがある。 機器のメンテナンス †機器のメンテナンスの実施時期に関しては,無停電電源装置に用いるバッテリーの交換時期と関連すると思われる。バッテリーの寿命は通常3年程度ということなので,メンテナンスを実施する場合は最大3年に1回程度行う必要がある。それより短い場合は1年に1回か,2年に1回というように年単位で考えるのが一般的であると思われる。 メンテナンス実施事項としては,下記の項目などが挙げられる。
(中川)
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